風営法違反で摘発、どのルートからバレた？その背景と対策を解説
磯部 央顕
風俗営業を運営する上で、風営法を遵守することは必須です。しかし、意図せず法律違反となる行為をしてしまい、摘発されるケースは少なくありません。一度違反が発覚すると、営業停止や罰金、さらには営業許可の取り消しといった重い処分を受ける可能性があります。
では、風営法違反はどのようなルートで発覚することが多いのでしょうか？本記事では、よくある摘発のルートとその背景、そして事業者が取るべき予防策を解説します。
風営法違反の主な理由
風俗営業において違反が発覚する理由は様々ですが、特に以下のような事例が多く報告されています。どれも法令に反する行為であり、摘発や厳しい罰則につながるため、事業者として十分な注意が必要です。
1. 無許可で接待行為を行う
風俗営業許可を取得していないにもかかわらず、接待行為を提供するケースです。接待とは、顧客の近くに座り会話を楽しむなど、もてなしを目的とした行為を指します。許可なしで接待を行うことは風営法に違反し、重い罰則が科される可能性があります。
2. 未成年のキャストを雇用する
18歳未満の未成年者を従業員として採用し、店内で働かせることも大きな違反です。年齢を偽って応募するケースもあるため、採用時には年齢確認を徹底する必要があります。
3. 未成年の顧客を入店させる
18歳未満の顧客を店内に入れることも風営法違反に該当します。深夜営業の業態では特に厳しく規制されており、顧客の年齢確認を怠ることで違反が発覚するリスクが高まります。
4. 未成年への酒類提供
20歳未満の顧客にアルコールを提供することは法律で禁止されています。未成年者が飲酒をした場合、店舗側が責任を問われ、営業停止や罰金などの処分を受ける可能性があります。
これらの違反行為は、いずれも警察や第三者の目に触れやすく、結果として摘発のリスクを高めます。店舗運営においては、法令を十分に理解し、違反を防ぐための徹底した管理が求められます。
よくある摘発のルート
1. 現在いる従業員または辞めた従業員からの通報
風営法違反が発覚する最も一般的なルートの一つが、従業員からの通報です。従業員が店内での違法行為を知り、警察や行政に告発するケースがあります。特に、退職後に不満を持った従業員が内部情報をリークすることは少なくありません。
営業時間外の営業が違法に行われていると通報されるリスクが高まります。適切な契約を結んでいない従業員が、労働環境に不満を抱き、警察に違法行為を告発したケースなどを耳にしたことがあります。従業員との信頼関係を構築し、透明性のある運営を心掛けましょう。従業員の教育や契約内容の適正化も重要です。
2. 近隣住民からの苦情
深夜営業による騒音や、店周辺でのトラブルが原因で、近隣住民からの苦情を受けて警察が動くケースも多くあります。特に住宅街に近い店舗では、住民とのトラブルが摘発につながる可能性が高いです。
深夜まで騒音が続いていたり、店の外側から店内で過剰な接待をしていることが丸見えになっているなどのことから近隣住民が警察に相談するケースや、店舗前に不特定多数の人がたむろしていて危険な雰囲気があったり、吐しゃ物やゴミが散乱しているなど、治安が悪化したと苦情が入るなどのケースが考えられます。営業中は音量や騒音レベル、泥酔客に注意し、店舗周辺でのトラブルを未然に防ぎましょう。また、地域住民とのコミュニケーションを大切にし、理解を得る努力が必要です。
3. ライバル店からの告発
風俗営業は競争が激しい業界であり、ライバル店による告発も摘発の大きな要因となります。不正な営業が競争優位を生んでいると感じたライバル店が、行政や警察に通報するケースがあります。
無許可営業で営業していたり、許可された営業範囲を超えた接待行為を告発されるケースを防ぐには、法令を厳守し、ライバル店に隙を与えない運営を徹底することが重要です。違法行為が疑われる行為は、意図せずにでも行わないようにしましょう。
風営法違反を防ぐために必要な対策
摘発を防ぐためには、日々の営業において次のような対策を取ることが重要です。
- 法令を正しく理解する
風営法や関連法令を経営者および従業員全員が理解し、違法行為を未然に防ぐ体制を整えましょう。 - 営業内容の透明性を確保する
警察や行政の監査に対応できるよう、営業記録や従業員の雇用契約を整備し、透明性の高い運営を心掛けましょう。 - トラブル防止のための教育を徹底する
従業員に対して法令遵守やトラブル回避のための研修を実施し、リスク管理意識を高めましょう。 - 地域住民との関係を良好に保つ
近隣住民に迷惑をかけないよう配慮し、トラブルが発生した際には迅速に対応することが重要です。
まとめ
風営法違反は、従業員や近隣住民、ライバル店からの通報を通じて摘発されることが多く、その影響は営業停止や罰金、信用の失墜など、店舗運営に大きなダメージを与えます。摘発を防ぐためには、法令遵守とトラブル防止を徹底し、健全な運営を続けることが最も効果的です。
違法行為のリスクをゼロにするためにも、営業許可の取得や法令対応について専門家に相談することをお勧めします。当事務所では、風俗営業に関する手続相談や運営サポートを行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら：
ＴＥＬ ０３－５９９２－６２０５
安全で適正な営業をサポートいたします！
