キャバクラ・バーの開店前に内装工事を行う場合の注意点
営業したい場所とお店は決まったけれど、自分がやりたいお店の雰囲気と違う……!!
広い部屋なので壁や仕切りなどを作って客室を複数にしたい……!!
どうせなら営業開始前に内装工事を行って、お店の雰囲気やレイアウトを一新してから営業を始めたい……!!
そうお考えになる方も多いのではないでしょうか。
今日はそんな方向けに、内装工事を行う場合どのようなことに注意しなければならないのか解説していきます。
飲食店営業所の施設基準
飲食店営業許可を取得するには、まず、所管する保健所に営業許可申請を行い、都が定めた施設基準に合致した施設をつくり、保健所の検査を受けなければなりません。
1 内装工事を入れて調理場に変更を加える際は、客室と調理場が扉(またはスイング扉など)できちんと分けられている状態にすることが必要です。
2 床面及び内壁、天井にも変更を加える場合は、清掃等を容易にすることができる材料で作られ、清掃を容易に行うことが出来る構造にしましょう。
3 調理場天井の配管がむき出しであったり、調理場の床がマットタイプで水はけが悪かったりすると、清掃が用意であると認められず、許可が下りない場合があるので要注意です。
4 シンクや手洗いの設置についても注意が必要です。調理場には流し用のシンクと従業員用の手洗いを設置しなければなりませんが、洗浄後の手指の再汚染を防ぐために、従業員用手洗いの水栓はレバー式又は自動式でなくてはいけません。
これは食品衛生法改正の流れを受けて令和3年6月から開始された審査基準です。
風俗営業(1号)営業所の構造及び設備の基準
1 客室の床面積は、和風の客室に係るものにあっては1室の床面積を9.5平方メートル以上とし、その他のものにあっては1室の床面積を16.5平方メートル以上としなければなりません。ただし、客室の数が1室のみである場合は面積要件を満たしていなくても問題ありません。新たに壁を追加するなどして客室を分ける場合は、その状態できちんと面積要件を満たすのかあらかじめ確認しておいた方がよいでしょう。
2 客室の内部が当該営業所の外部から容易に見通すことができないものであることが必要です。
3 客室内部に見通しを妨げる設備を設けてはいけません。客室にオブジェなどを設置する場合は大体1m以上の高さを超えてしまうと見通しを妨げる設備に該当してしまいますので要注意です。観葉植物なども1mを超えてしまうと見通しを妨げる設備に該当します。間仕切りを設置する場合も、そこを起点として客室を分けることが出来るのであれば問題ありませんが、客室内部にある仕切りが1m以上の高さを超えてしまうと前者と同じく見通しを妨げる設備になってしまいますのでご注意ください。
4 善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備は設けてはいけません。卑猥なオブジェ等は設置しないようにしましょう。
5 客室の出入口に施錠の設備を設けてはいけません。ただし、営業所外に直接通じている客室の出入口であれば問題ありません。お客を監禁してしまうなどといった事件を起こさないためにこのような決まりがあるようです。
6 営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有する必要があります。室内が暗すぎると許可が下りなくなってしまうので、5ルクス以上の明るさがきちんと確保出来るのか確認しておきましょう。また、スライダックス(調光器)の設置は認められていないので、調光器が設置されている場合はスイッチ式に変えてもらいましょう。
7 騒音や振動が大きくなりすぎないように維持するための構造又は設備が必要です。過度な音響設備の設置はおすすめしません。
まとめ
今回は開店前に内装工事を入れる場合の注意点についてお話させていただきました。
深夜酒類提供飲食店営業や特定遊興飲食店営業の場合など、営業形態によって面積要件が変わってきたりしますが、飲食店営業許可上の施設基準や見通しを妨げる設備を設けてはいけない規定などは共通事項です。
営業形態別にもっと詳しく知りたいという方は、当事務所までご連絡いただければ詳しくご説明させていただきます。
内装工事を入れる場合の注意点をおさえ、業者さん等としっかりと打ち合わせをした上で工事に臨みましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。