風俗営業の許可は既に得ているけれど、内装工事をしてお店のイメージを変えたい!お店の構造を変更する場合の手続きの流れ

風俗営業許可が無事に下り、営業を開始してしばらく経つ頃になると「カラフルな照明を増やしてもっと店内を賑やかにしたい」「調理場から客室に向かうのに遠回りしなければいけないため、カウンターを作り直して従業員が容易に移動出来るようにしたい」「今まであった間仕切りを取っ払って大部屋として活用したい」「今まで倉庫として使用していた部屋を客室として使用したい」など、より良いお店にするため色々なアイディアが浮かんで来ることでしょう。

お店の雰囲気を一新して新たな客層を取り込みたいとも考えるかもしれません。

さて、既に風俗営業許可が下りているお店の場合、新たに許可を取りなおす必要がはたしてあるのでしょうか?

答えはノーです。

しかし、何も手続きを取らなくて良いわけではありません。

既に風俗営業許可が下りている店舗の場合は所轄警察署で事前に変更承認申請をする必要があります。

それでは、どの程度の変更をする際に変更承認が必要となるのでしょう?

変更承認申請が必要となるケース

1.建築基準法第2条第14号に規定する大規模の修繕又は同条15号に規定する大規模の模様替に該当する変更

14条には「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。」15条には「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。」とそれぞれ書かれています。

少し難しい話になってしまうので「修繕や模様替えであっても大規模でやる場合は変更承認申請が必要になるのだな~」くらいの認識でいていただければ大丈夫です。

2.客室の位置、数、又は床面積の変更

風俗営業許可の際に客室求積図を提出することからもわかるように、警察は客室に対して非常にシビアな目で見てきます。

風営法上の面積要件(客室の床面積は、和風の客室に係るものにあっては1室の床面積を9.5平方メートル以上とし、その他のものにあっては1室の床面積を16.5平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が1室のみである場合はこの限りでない。)などをクリアしていないと許可を出すことが出来ないことも大きな理由として考えられます。

3.壁、ふすまその他営業所内の内部を仕切るための設備の変更

客室の内部に見通しを妨げる設備は設けられていないか、客室の出入口に施錠設備がつけられていないか、仕切りが新たに設けられることにより床面積はどのように変化するかなどを警察はチェックします。

4.営業の方法の変更に係る構造又は設備の変更

キャバクラをナイトクラブにする場合、料理店をバーにする場合などです。

また、上記のどれにも当てはまらない軽微な変更などの場合は変更承認申請ではなく、変更後に変更届を出すだけで大丈夫です。

変更届は変更後10日以内に所轄警察署に出してください。

変更承認申請の流れ

構造を変更するには工事前に、事前に変更承認を受ける必要があります

変更承認申請書に変更事項を記載のうえ、変更前と変更後の平面図(客室面積や照明設備が変わる場合はそれぞれ客室求積図、照明設備)を添付して営業所を管轄している警察署へ申請に向かいましょう。

図面には変更点を赤くマーキングしたりしておくとわかりやすくて親切かもしれません。

申請承認が受け付けられると、その時から工事を開始することが出来ます。

警察署に提出した変更事項通りに内装工事を完了させましょう。

ここで無事に工事が終わったとしても、それで終わりではありません

工事完了後2週間以内に警察署に電話で連絡を入れる必要があり、その後日程を調整し浄化協会の調査員に実査に来ていただくこととなります。

実査に来る時間は午前10時30分か午後1時30分かで分かれているのですが、東京都風俗環境浄化協会の調査員は約束の時間より早めに来ます

約束の1時間前には店舗に到着しておいて、造作の位置や備品の配置などが図面と間違っていないか最終確認しておくとよいです。

万が一、事前に提出しておいた変更事項や図面と違いが出てしまった場合は、修正済みのものを用意して差し替えてもらえないか調査員にお願いしましょう。

以上が変更承認申請をしてから完了するまでの流れとなります。

最後に

変更承認申請は事後報告ではなく、事前に申請したうえでようやく構造の変更に着手出来ます。

もし無承認で構造設備の変更をしてしまうと1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこれの併科(風営法第50条)が科されることになります。

そんな事とはつゆ知らず、もう工事を始めてしまったなんて事がないよう忘れずに出しましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。