外国人がキャバクラやスナック(風俗営業1号営業)を開業したい場合、手続方法は日本人とどう違うのか

私の事務所は池袋駅の近くにあるのですが、池袋は中国人やモンゴル人、ベトナム人など多くの外国人が居住しています。

池袋にある会社やお店などに勤務している外国人もとても多く、私の知り合いの行政書士事務所も、中国人スタッフやモンゴル人スタッフを雇っている所がいくつかあります。

そして、外国人の方で夜のお店を経営したいと考える方も少なくありません。

今回は外国人の方がキャバクラやスナック(風俗営業1号営業)を開業する場合、どのようなことに注意する必要があるのか解説したいと思います。

申請人になれる在留資格

在留資格とは、外国人が日本において一定の活動を行うことが出来ることを示したものです。

「高度専門職」「技術・人文知識・国際業務」「技能」「留学」など様々な種類があり、外国人の方は日本において在留資格で定められた活動しか行うことが出来ません。

風俗営業許可申請の申請人となるためには、この在留資格が「日本人の配偶者等」「永住者」「特別永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」「経営・管理」のどれかである必要があります。

そして、注意しなければならないのは在留資格が「経営・管理」の場合は申請者になることは出来るのですが、風俗営業管理者になることは出来ないという点です。

「経営・管理」という名前なのになんで風俗営業管理者になることが出来ないの?とお思いになる方も多いことでしょう。

在留資格でいう「経営・管理」とはあくまで日本で経営活動を行うための在留資格で、雇用管理など事業に関して管理をするための資格であって、お店の従業員が行うような調理や接客、販売などを自分で行うことは出来ないのです。

従業員に対して助言や指導を行い苦情の処理までしなければならない風俗営業管理者は、いわゆるお店の店長のような立ち位置であるため「経営・管理」の在留資格とは根本的に性格が異なるのです。

そのため、風俗営業管理者は外国人である申請者本人ではなく「日本人の配偶者等」「永住者」「特別永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格を持つ外国人又は日本人である必要があります。

外国人の方がご自身でお店を経営したいとお考えの場合は、そのことを頭に入れておく必要があります。

外国人の方が申請する場合の添付書類

風俗営業1号営業許可申請を行う場合、本来であれば

・申請書

・構造設備の概要

・営業の方法

・その2A

・メニュー表の写し

・営業所周辺略図

・入居階平面図

・営業所平面図

・営業所求積図

・客室求積図

・照明及び音響設備図

・定款の写し(法人の場合)

・法人履歴事項全部証明書(法人の場合)

・建物使用承諾書

・住民票

・身分証明書

・誓約書一式

・飲食店営業許可証の写し

・管理者用顔写真

以上が必要となりますが外国人の場合、身分証明書の添付が不要となります。

ここでいう身分証明書とは運転免許証のようなものではなく「破産者で復権を得ないもの」に該当しないことを証明するもののことを言います。

身分証明書は本来、自身の本籍地を管轄している役所で取得することが出来る戸籍に関する情報なのですが、在留外国人にはそもそも日本戸籍が存在しないため、取得することが不可能なのです。

また、外国人の方のみ求められる書類として在留カード裏表の写しがあります。

この書類をもとに警察の方は在留資格などを確認し、申請者が日本で夜の店を行うことに問題はないか判断することになります。

まとめ

外国人の方がキャバクラやスナックなどの風俗営業1号営業を営む場合、日本人とはまた違った制約があります。

必要な在留資格を取得していないにも関わらず、もう大家さんと賃貸借契約を結んでしまった!なんてことがないように十分注意してください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。