デリヘル経営に必要な契約書の種類と内容について解説
デリヘル経営に必要な契約書の種類
リスクなくデリヘルを経営していくには、契約書の用意が必要不可欠です。この記事ではデリヘルの運営に必要な主な契約書について、それぞれの内容と目的を解説いたします。
1. 業務委託契約書
デリヘルに従事する女性従業員(スタッフ)やドライバー、内勤の従業員は、多くの場合「業務委託契約」で働くことになります。この契約書は、労働契約ではないため、雇用に関する労働基準法の適用外とされますが、独自の注意点があります。業務委託契約書に含めるべき主な項目は以下の通りです。
委託業務の内容(サービス内容や時間の明記)、報酬の支払い条件(歩合制や交通費など)、契約解除の条件、従業員向けの秘密保持契約(NDA)、違反時のペナルティや損害賠償請求の条件、移動範囲や自動車保険・自動車免許についての確認(ドライバーの場合)、反社条項など
従業員には、顧客情報や会社の運営に関わる情報を外部に漏らさないよう「秘密保持契約(NDA)」を結ぶことが推奨されます。特に、顧客の個人情報保護が厳格に求められるデリヘル業界では、重要な契約書です。うっかりSNSなどで従業員が顧客の情報を漏らしてしまうと利用客とトラブルになりかねないためしっかりと契約書に盛り込んでおきましょう。
また、ドライバーなど従業員同士の恋愛を禁止したり、他店への引き抜き行為を禁止する文言も入れておいた方がトラブルが少なく済みます。
2. サービス利用時に客に書いてもらう誓約書
サービス利用時には、リスク回避のために顧客に誓約書を書いてもらうことが有効です。この誓約書には、法的リスクの軽減とトラブルの防止に向けた条項を盛り込む必要があります。以下の内容を含むことが一般的です。
1.年齢確認:18歳以上であることを確認し、虚偽申告に対しては法的措置を取る可能性を明記。
2.サービス内容の同意:提供されるサービスの内容について明確にし、法的に禁止されているサービス(例えば、本番行為の禁止)についても明記。
3.禁止行為の同意:薬物使用、暴力行為、ストーカー行為、連絡先交換などの禁止事項を列挙し、それに同意する旨を記載。
4.損害賠償に関する条項:誓約書違反時のペナルティや損害賠償請求についても明確にする。
誓約書を導入するメリットは以下の通りです。
1.トラブル防止:サービス内容や禁止事項を明確にすることで、顧客との間でのトラブル発生を予防します。
2.法的リスク軽減:違法な要求や行為があった場合、事前に書面で顧客に禁止事項を告知しているため、万が一の際にも法的に強い立場に立てます。
3.従業員の保護:誓約書は従業員に対する顧客からの不当な要求や危険行為を未然に防ぐための抑止力にもなります。
3. 契約書の法的有効性と作成時の注意点
契約書や誓約書を作成する際、法的に有効なものとするために重要なポイントを解説します。
契約書の署名・押印:双方の署名や押印を必ず行い、法的効力を確保する。(誓約書に関しては顧客の署名のみ)
わかりやすい言葉で記載する:特に誓約書は顧客が内容を理解できるよう、専門的な法律用語を避け、わかりやすい言葉で書くことが重要です。
法改正に対応:風営法や民法の改正に常に注意し、契約書の内容が最新の法に基づいているか定期的に確認・更新することが必要です。
まとめ
デリヘル運営において、リスクを最小限に抑え、安全に運営するためには、適切な契約書を整備することが重要です。特に、業務委託契約書や顧客との誓約書は、トラブル防止や法的リスクを軽減するための強力なツールです。業務委託契約書には、従業員との間で守るべき事項や秘密保持契約を盛り込み、誓約書では顧客に対してサービス内容や禁止行為を明確にすることで、健全な運営環境を構築することができます。
また、契約書を作成する際には、法的有効性を確保するために、署名や押印を確実に行い、顧客や従業員が内容を理解できるよう、わかりやすい言葉で記載することが大切です。さらに、風営法や民法の改正に伴い、契約書の内容を定期的に更新し、常に最新の法令に対応することが必要です。
適切な契約書の整備は、運営者、従業員、顧客すべての立場を守るためにとても重要です。長期的な運営の安定にも繋がりますので、ぜひ導入しましょう。