秋葉原のコンカフェが無許可営業で摘発!風俗営業許可が必要となるケースについて解説
秋葉原にあるコンカフェ(メイドカフェ)5店舗が今年の5月に、お客の男性に対して女性店員が接待行為を行っていた疑いがあるとのことで風営法違反(無許可営業)で一斉摘発されました。
よく「カウンター越しなら接待にあたらない」という根も葉もない噂を耳にしますが、今回摘発されたいずれの店舗もカウンター越しに接待を行っていた店舗ですので、やはりカウンター越しであれば接待にあたらないとは言えないのです。
どこからが接待行為になってしまい、どこからが風俗営業許可が必要な営業形態になってしまうのか、本当に分かりづらいですよね。
今回は、ガールズバーやキャバクラといった夜のお店とは雰囲気が全く違う、メイドカフェやコンカフェなどのお店でも風俗営業許可を取っておいた方が良いのか解説いたします。
そもそもメイドカフェはどのような接客を行っているのか
メイドカフェとは言わずもがなメイドのコスプレをした女性店員がお客を主人に見立てて接客を行う形態のことを言います。
コンカフェ(コンセプトカフェ)に関しても、コスチュームやシチュエーションが違うだけで形態としてはほとんど同じようなものだと思ってください。
メイドカフェの営業形態では
・お客をご主人様呼びして会話を楽しむ
・オムライスに絵や文字を書いてくれる
・食事をスプーンを使ってお客の口もとに運ぶ
・ジャンケンやあっちむいてホイなどをしてお客を楽しませる
・お客に対して耳かきやマッサージを行う
・お客と一緒にチェキを撮ってくれる
などのサービスを行っていることが多いかと思われます。
今申し上げた中に、風営法違反として問題になりそうなサービスはどれだけあるでしょうか?
実は、今申し上げたサービスのほとんどが、風営法違反(無許可営業)の危険性を孕んでいるのです。
どのようなサービスを行っていると接待行為とみなされ、風営法違反(無許可営業)になってしまうのか
コンカフェに限らずガールズバーやキャバクラの場合でも同じことが言えるのですが、風俗営業許可を取得せずに接待行為を行うと風営法違反(無許可営業)になってしまいます。
風俗営業許可を取得せずに先ほど申し上げたサービスを行う場合、ほとんどが接待行為になってしまうため無許可営業で摘発を受けてしまう危険性が高いと言えます。
先ほど上げたサービスの問題点を順に見ていきましょう。
・お客をご主人様呼びして会話を楽しむ
ご主人様呼びしていても世間話や挨拶をする程度であれば全く問題ないのですが、お客の近くに座って会話を楽しんでしまうと接待行為と判断されてしまう可能性があります。また、立ちながらやカウンター越しの場合であったとしても、特定のお客と継続的におしゃべりしている場合には接待行為に当たります。
・オムライスに絵や文字を書いてくれる
絵や文字を書くこと自体が接待行為になることはないのですが、それに付随して「おいしくなーれ、おいしくなーれ、萌え萌えきゅん!」などの掛け声をお客と一緒に楽しんだりする場合は、接待行為に当たる可能性があります。風営法の解釈基準に、特定の客を褒めはやしたり、カラオケでデュエットを行うことは接待行為に当たると記載されているため、それに近い行為はアウトになってしまう危険性が高いです。
・食事をスプーンを使ってお客の口もとに運ぶ
こちらは風営法の解釈運用基準に「客の口許まで飲食物を差出し、客に飲食させる行為も接待に当たる」と明確に記載されているので完全にアウトです。
・ジャンケンやあっちむいてホイなどをしてお客を楽しませる
風営法の解釈運用基準に「特定少数の客と共に、遊戯、ゲーム、競技等を行う行為は、接待に当たる」と記載されているため接待行為に該当します。店員とお客ではなく、客同士に行わせる場合であれば直ちに接待行為には当たりません。
・ お客に対して耳かきやマッサージを行う
こちらも風営法の解釈基準に「客と身体を密着させたり、手を握る等客の身体に接触する行為は、接触に当たる」と記載があるため、接待行為に該当します。ただし、具合が悪くなってしまったお客を介抱するため必要な限度で接触する場合は接待行為に該当しません。
・お客と一緒にチェキを撮ってくれる
これはなかなかグレーな感じですが、身体を密着させて写真を撮るような場合は接待行為に該当してしまうでしょう。
まとめ
現状では、ほとんどのメイドカフェやコンカフェが風俗営業許可を取得せずに営業をしています。
しかし、それはあくまで警察が大目に見てくれているだけであって、接待行為が行われている以上摘発を受けてしまう恐れは常に潜んでいます。
実際、冒頭でもお話したようにメイドカフェやコンカフェが摘発を受けてしまう事例は珍しくありません。
無許可で営業してしまった場合、罰金だけでなく営業はもちろん停止になりますし、場合によっては留置場に入れられ、最悪は懲役刑を食らう可能性もあります。
安心して胸を張って営業を続けるためにも、上でお話したようなサービスを行うのであれば、風俗営業許可はきちんと取得しておくのが賢明かと思います。
最後に、適切な手続きを踏んで風俗営業許可を取得し、法律に適合した形で営業を行うことが、事業の長期的な発展と信頼性を築くために重要であると言えます。
風俗業界は法律や規制が厳しく、業界の評判が低いとされていますが、正当な手続きを踏んで営業を行い、お客様に安心して楽しんでいただける場を提供することで、社会的にも認められるようになるでしょう。