深夜酒類提供飲食店営業の変更届を出さずに放置しているとどうなる?うっかり期限を過ぎてしまった場合の対処方法

深夜酒類提供飲食店営業を行っている途中で変更があったにも関わらず、警察署に届出するのを忘れてしまっていたというケースはめずらしくないです。

深夜までお店を営業していると生活が昼夜逆転してしまい、昼間は寝ていることが多くて変更の手続きに行くのもなかなか大変ですよね。

そもそも、どのような変更があった場合に届出が必要となるのかもよくわからないという方もいらっしゃることでしょう。

今回は、変更届が必要となるケースと、変更届を出さずに放置し続けることで生じるリスク、そして変更届を提出するのを放置して期限が切れてしまった場合の対処方法についてご説明いたします。

変更届が必要となるケース

変更届が必要となるケースについては、風営法の第33条に記載があります。

風営法第33条(深夜における酒類提供飲食店営業の届出等)

酒類提供提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。

一.氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

二.営業所の名称及び所在地

三.営業所の構造及び設備の概要

2. 前項の届出書を提出した者は、当該営業を廃止したとき、又は同項各号(同項第2号に掲げる事項にあつては、営業所の名称に限る。)に掲げる事項に変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)があつたときは、公安委員会に、廃止又は変更に係る事項その他の内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。

以上が変更届について記載されている部分となりますので、黄色くマーキングした文に変更があった場合に変更届を提出する義務が生じることになります。

法人の名称、住所、代表者の氏名の変更にあっては変更があった日から20日以内に。

それ以外の場合は10日以内に変更届を提出しましょう。

所在地が変更となる場合は変更届ではなく廃止して新規で届出を出す必要があるので注意してください。

また、構造設備の変更があったとしても

1.建築基準法第2条第14号に規定する大規模の修繕又は同条15号に規定する大規模の模様替に該当する変更

2.客室の位置、数又は床面積の変更

3.壁、ふすまその他営業所内の内部を仕切るための設備の変更

4.営業の方法の変更に係る構造又は設備の変更

以外の、軽微な変更については変更届を出す必要はないのでご安心ください。

変更届を出さなかった場合の罰則

もし変更届を出さなかった場合、風営法第55条の規定により30万円以下の罰金に処されてしまいます。

罰金は俗に言う「刑事処分」と呼ばれるもので、この処分が下されると前科までついてしまうので要注意です。

行政処分」としては指示処分が行われます。

指示処分は、改善するように(届出書を出すように)注意を受けることをいいますが、このまま放置しておくと営業停止処分を食らってしまう可能性もあります。

普段は眠っていることも多いであろう日中に警察署に行き届出をするのは面倒かもしれませんが、忘れずに出すようにしましょう。

変更届提出を放置していて期限が切れてしまった場合の対処方法

変更届を出そうとは思っていたのだけれど、なかなか都合がつかなくてもう期限を過ぎてしまった……

期限が切れると罰金を取られてしまうらしいし、警察に怒られるのも嫌だから知らんぷりしてこのまま放っておいてもバレないよね……

などという考えは、絶対にしてはいけません

警察署の方はそういった店舗の情報はきちんと把握しており、一般の方にバレないよう私服で店舗の見回りなどもしているため、知らんぷり戦法は通用しません。

期限が過ぎてしまったとしてもきちんと出しにいきましょう。

ただ、期限が過ぎてしまっているにも関わらず変更届を出してハイ終わり!では、ハッキリ言って警察に対して印象が良くないです。

警察の方に「コイツはなんてテキトーなやつなんだ。ひょっとしたら変更届の出し忘れだけじゃなくて、つつけば他にも悪い部分が出て来るかもしれない。今度店舗に確認しにいこう」なんて思われてしまうかもしれません。

そもそも「始末書を持ってこい!」と言われてしまうのが関の山ですので、ここはあらかじめ用意していきましょう。

始末書の内容としては、「営業所在地」「営業種別(今回の場合だと深夜酒類提供飲食店営業)」「営業所名称」「営業者」を記入したうえで、変更を失念していた旨と謝罪の気持ちを真摯に伝えれば問題ありません。

以下記載例です。

「私〇〇は、令和〇年〇月〇日に〇〇の変更をいたしました。

本来であれば〇〇日以内に変更届出書を提出しなければならなかったにも関わらず、これを失念しておりました。

今後はこのようなことがないように十分に留意いたします。

今回に限り寛容な措置をお願い申し上げます。」

上記を参考に始末書を作成していただければ問題ないと思います。

警察の方も鬼ではないので、始末書も提出していることだし悪質でないと判断すれば罰金を取ることもないでしょう。

まとめ

変更届の提出期限を過ぎてしまったとしても、直ちに「刑事処分」である罰金や「行政処分」である指示処分を下されるというわけではありません。

しかし、放置しておくといずれ警察がやってきて、更に面倒なことになるのは目に見えています。

変更届はそこまで面倒な書類ではありませんので、必ず提出期限を守って出しましょう。

そして、万が一提出期限を過ぎてしまった場合は、反省の気持ちを文章にして警察の方にしっかりと謝罪の意思を示すことが大切です。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。