東京でソープランドなどの店舗型性風俗特殊営業をこれから開業することは可能か?
結論から申し上げますと、東京で新規で店舗型性風俗特殊営業を開業することはかなり厳しいです。
店舗型性風俗特殊営業は、事務所や待機所の場所的基準の規定がない無店舗型と違い、営業可能な地域がかなり制限されます。
今回は、店舗型性風俗特殊営業の要件も踏まえつつ、なぜソープランドなどを新規で開業するのは難しいのか解説していきます。
店舗型性風俗特殊営業とは
店舗型性風俗特殊営業とひとくちにいっても、いくつか種類があります。
風営法の規定を参考にしながら、どのような営業形態があるのか確認していきましょう。
一 浴場業(公衆浴場法(昭和二十三年法律第百三十九号)第一条第一項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業(ソープランド)
二 個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業(前号に該当する営業を除く。)(店舗型ファッションヘルス)
三 専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定するものをいう。)として政令で定めるものを経営する営業(ヌードスタジオ、個室ビデオ、のぞき部屋、ストリップ劇場等)
四 専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業(ラブホテル、モーテル、レンタルルーム)
五 店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業(アダルトショップ、大人のおもちゃ屋等)
六 前各号に掲げるもののほか、店舗を設けて営む性風俗に関する営業で、善良の風俗、清浄な風俗環境又は少年の健全な育成に与える影響が著しい営業として政令で定めるもの(出会い系喫茶)
それぞれの営業禁止地域
営業が禁止されている地域を以下の表にまとめました。
ソープランド 店舗型ファッションヘルス | 台東区千束四丁目(十六番から三十二番まで及び四十一番から四十八番まで)の地域以外の地域 |
ヌードスタジオ 個室ビデオ のぞき部屋 ストリップ劇場 アダルトショップ 大人のおもちゃ屋 テレクラ | 商業地域以外の地域 |
車庫付きモーテル | 次に掲げる地域以外の地域1 新宿区のうち、歌舞伎町一丁目(二番から二十九番まで)、新宿二丁目(六番、十一番、十二番及び十六番から十九番まで)及び新宿三丁目(二番から十三番まで)の地域2 台東区千束四丁目(十六番から三十二番まで及び四十一番から四十八番まで)の地域3 豊島区西池袋一丁目(十八番から四十四番まで)の地域 |
ラブホテル モーテル レンタルルーム | 近隣商業地域及び商業地域(第一種文教地区及び第二種文教地区に該当する部分を除く。)以外の地域 |
注意しなければならないのは営業禁止地域だけではありません。
営業所の敷地から周囲200m圏内の場所に保全対象施設(学校、図書館、児童福祉施設、病院、診療所)が存在すると許可は下りないのです。
風俗営業許可の第一条に
この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。
と書かれていることからもわかるように、この距離制限は少年保護としての意味合いが強いです。
これらの条件をクリア出来る営業所はほとんどないため、新規で店舗型性風俗特殊営業を開業することは相当難易度が高いと言えます。
現在営業しているソープランドはどうやって開業したのか
現在存在しているソープランドや店舗型ファッションヘルスのほとんどは、風営法や条例による出店規制が今ほど厳しくなかった頃から営業しているところばかりです。
その頃の既得権で営業を続けているに過ぎないので、営業者の方が亡くなられたり、一度廃業届を出してしまうと二度と営業出来なくなってしまいます。
うっかり、引き継ぐことが出来ないとは知らず既に廃業届を出してしまったなんてことがないように十分注意しましょう。
しかし、法人の場合であれば、所轄警察署に変更届を出して代表者変更手続きを行うことで営業を誰かに引き継がせることは可能です。
最後に
無理に店舗型性風俗特殊営業の届出をするよりかは、無店舗型性風俗特殊営業(デリヘル)の方が現実的かと思います。
無店舗型であれば事務所や待機所の要件がないため、どこでも営業可能であるというのは大きなメリットです。
女の子をそのまま向かわせるタイプの営業形態であれば待機所すら必要ありません。
自分がやりたい営業形態はどのようなものなのか?無店舗型性風俗特殊営業ではダメなのか?
よく考える必要はあるかと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。