前科があってもガールズバー等の経営者になれるの?
実は昔結構ヤンチャしてて、その時に逮捕されちゃったものだから前科があるんだよね……それでもガールズバーの経営を始めたいと思っているんだけど大丈夫かな……?
といったご相談を受けることがあります。
さて、風俗営業許可申請をする際には人的欠格事由(これに該当する方の場合許可が下りない)というものがありますが、前科がある方の場合はどのような扱いになるのでしょうか?
警察の方は、申請後にその方の犯罪歴を徹底的に調べ上げますので、もし欠格事由に該当していた場合は言い逃れ出来ません。
隠し通すことは不可能ですし、申請に費やした時間や労力もただの徒労に終わってしまいます。
無事に許可を取るためには大切な要件となっておりますので、条文と併せてしっかりと確認していきましょう。
人的欠格事由
人的欠格事由については風営法の第4条に詳しく書かれています。
申請者だけでなく風俗営業管理者、法人申請の場合は役員全員が人的欠格事由に該当していないことが必要となりますので注意が必要です。
下記に該当する方は風俗営業許可を受けることが出来ません。
1.破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
2.1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は次に掲げる罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3.集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
4.アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
5.心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
6.第26条第1項の規定により風俗営業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所が公示された日前60日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この項において同じ。)であつた者で当該取消しの日から起算して5年を経過しないものを含む。)
7.第26条第1項の規定による風俗営業の許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に第10条第1項第1号の規定による許可証の返納をした者(風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)で当該返納の日から起算して5年を経過しないもの
8.前号に規定する期間内に合併により消滅した法人又は第10条第1項第1号の規定による許可証の返納をした法人(合併又は風俗営業の廃止について相当な理由がある者を除く。)の前号の公示の日前60日以内に役員であつた者で当該消滅又は返納の日かは起算して5年を経過しないもの
9.第7号に規定する期間内に分割により同号の聴聞に係る風俗営業を承継させ、若しくは分割により当該風俗営業以外の風俗営業を承継した法人(分割について相当な理由がある者を除く。)又はこれらの法人の同号の公示の日前60日以内に役員であつた者で当該分割の日から起算して5年を経過しないもの
10.営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者。ただし、その者が風俗営業者の相続人であつて、その法定代理人が前各号及び次号のいずれにも該当しない場合を除くものとする
11.法人でその役員のうちに第1号から第9号までのいずれかに該当する者があるもの
前科がある場合どうやったら営業可能となるのか
接待をする営業形態を考えていらっしゃるのであれば、風俗営業許可の取得が必須となるため、上に記載した通り5年経過するのを待つしかありません。
しかし、通常のバーのように接待行為は行わず、深夜にお酒をメインに提供する営業形態をお考えなのであれば、飲食店営業許可の取得と深夜酒類提供飲食店営業届出のみ行えばよいため、人的欠格事由の問題は生じません。
深夜酒類提供飲食店営業には人的欠格事由の要件が存在しないためです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
風俗営業許可の取得をお考えの場合は少し辛抱が必要かもしれませんが、一生風俗営業許可の取得が出来なくなるわけではございませんので、そこはご安心ください。
また、深夜酒類提供飲食店営業であればたとえ前科がついて間もない方の場合であっても営業者になることが出来ますので、接待行為を行わないバー営業としてであれば全く問題ありません。
自分が現在置かれている状況や自分が本当にやりたい営業形態を十分考慮したうえで申請手続を進めていくのが良いでしょう。