アミューズメントカジノバーを開業するのに必要な許可と注意点
最近店舗の数が増えてきているアミューズメントカジノバーについてお話させていただきます。
当然のことですが賭博行為となってしまうため、財産的価値のあるものを賭けてゲームを行うことは許されません。
ゲームで勝ち取ったメダルやインターネット上の仮想メダルなどを財産的価値のあるものに交換したり換金することもダメです。
ただし、一時の娯楽に供する物については除かれるため、少額のジュースやお菓子などを賭けてゲームをする場合は賭博に当たらないと判断されるケースがほとんどです。
あくまで遊びとして、ポーカーやブラックジャックなどのゲームそのものを楽しむのがアミューズメントカジノバーの目的と言えるでしょう。
もし賭博行為をしてしまった場合、50万円以下の罰金又は科料に処されてしまいますので、キャストやお客さんがそのような行為を行うことがないよう十分注意して営業してください。
アミューズメントカジノバーに必要な許可
アミューズメントカジノは風営法上ゲームセンターと同じ扱いです。
風営法第2条第1項5号「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊戯設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊戯に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊戯設備により客に遊戯をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)」
以上の要件に該当しますので、警察署に対して風俗営業5号営業許可の申請を行うことが必要になります。
また、アミューズメントカジノバーの場合は遊戯だけでなく飲食の提供や深夜帯でのお酒の提供も行われることかと思います。
そうなると保健所には飲食店営業の許可申請、警察署には深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要となります。
※風俗営業5号営業許可と深夜酒類提供飲食店営業の両方を行うことが可能なのかについてはこのあと解説させていただきます。
アミューズメントカジノバーの注意点
アミューズメントカジノバーを経営するにあたり注意しなければならないのはディーラーの存在です。
既にご承知のこととは思いますが一応ご説明させていただきますと、ディーラーとはポーカーやブラックジャックなどのテーブルゲームにおいて、ゲームの進行役などを務めるスタッフのことです。
ディーラーを店側でやる場合、風営法上の接待行為に該当してしまう危険性があります。
※接待行為についてはこちらの記事をご参照ください。
風俗営業1号営業許可を取得しないで接待行為を行った場合は無許可営業となり、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこれの併科という罪を科されてしまいます。
それに加えてお店の売上も没収されてしまうというケースも聞いたことがあります。
東京都では風俗営業5号営業と1号営業の両方を取得することが認められていませんので(ちなみに大阪ではそのような営業形態も認められていると聞いたことがあります)ディーラー役もお客さんにやっていただくなどの工夫は必要になってくるでしょう。
次に、深夜営業(午前0時以降の営業)を行う場合の注意点についてご説明いたします。
風俗営業5号営業許可と深夜酒類提供飲食店営業の両方を行うことは可能なのかは所轄警察署によって反応や見解が分かれていますので、事前に問い合わせて確認しましょう。
もし可能ということであれば、営業するにあたっての注意点や条件についても質問しておくとよいです。
ここで注意しなければならないのが、例え両方行うことが可能という場合であっても同時に行えるわけではないという点です。
0時までは通常通り5号営業でよいのですが、深夜営業では完全にバー単独での営業、つまり二部制での営業となるため、深夜帯はアミューズメントカジノとしての要素は完全に排除して営業しなければいけません。
・0時になったら客やキャストを一度全員退出させ、インターバルをおいてから深夜営業として開店する。
・従業者名簿や売上帳簿などもアミューズメントカジノ営業と深夜のバー単独営業とで完全に分ける。
・0時以降はスロットマシンが使用出来ないように電源を落としたうえで布を被せる。
・ポーカーテーブルも使用出来ないように蓋を被せ、ただのテーブルとして使用する。
などの制約がつきます。
申請時に、風俗営業5号営業と深夜営酒類提供飲食店業を両方取得するが完全に営業を分離したうえで営業を行う旨の誓約書をつけておくと更によいかもしれません。
このように色々な制限がついたとしても二部制で営業するメリットがあるのか、よく考えてから申請に臨みましょう。
最後に
今回はアミューズメントカジノバーに必要な許可についてお話させていただきました。
ディーラーを店側で用意すると接待行為の危険性があること、深夜0時以降も行う場合には様々な制約がつくことなど、知らなかったでは済まされないことですので十分に注意して営業しましょう。